日本からスペインに引っ越して来て、沢山のカルチャーショックを受けました。スペイン国内でもマドリードの人は少し冷たい、カナリア諸島の人はのんびりとしていて温かい等、様々な違いがあるそうです。これはどの国にでもありそうですよね。
今回は私が見聞きして面白いと思ったスペインの習慣や文化などについてご紹介していきます。
スペイン文化|面白い文化だなと思ったこと
スペイン文化:人生の優先順位は①家族②休暇③趣味…⑩仕事
よく日本人は働きすぎというステレオタイプを聞きますが、スペインでは働かなすぎというステレオタイプがあります。私と同じ年代の20代は無職の人も珍しくなく、スペインではアルバイトは違法なので、大学を卒業するまで働いたことがない人がとても多いです。
私のスペインの家族は公務員なのですが、朝8〜9時頃から働き始めて、10時頃にはカフェでゆっくりしていて、12時過ぎには帰宅してお昼ご飯の準備をしています。仕事が忙しい日は午後2時まで仕事をしていることもありますが、大体の日は朝から一緒に買い物に付き合ってくれたり、役所手続きを手伝ってくれたりいつ働いてるの??とツッコみたくなる時があります(笑)
また、マドリードで働いている他の親戚は、2か月に1回のペースで1週間ほどカナリア島の家族に会うために里帰りをしていて、スペイン人の家族愛の凄さを目の当たりにしました。
スペインのほとんどの仕事は1か月以上の長期休暇があり、その期間に旅行に出かける人が多いです。有給休暇もマックスで消化するスペイン人のマインドを、日本人の元社畜の私も見習わなければと思いました。
スペイン文化:子供から老人まで下品な話が大好き
日本では大人になると下品な話は同性同士だけという暗黙の了解がありますが、スペインでは性別年代関係なく下ネタを言いまくっています。人によりますが、ご老人でさえ下ネタを連発している時があります(笑)。私も最初はびっくりしましたが、なんでもオープンに話せるスペインの文化は嫌いじゃないです。
その下ネタ文化の象徴になっているのがレゲエで、スペイン語を理解せずに聞くとかっこいい歌でも、歌詞を読解していくと聞いているだけで恥ずかしくなります(笑)。そんな歌を子供の時から聞いているスペインの子供が下ネタを言いまくるのは自然なことだと思います。また、テレビ番組でもかなり過激な描写が多く、日本で流したら完全に放送事故で番組が消え去るレベルのものが日常的にテレビに映っています。
スペイン文化:住んでいて知った意外な食文化
スペイン人の食事時間は日本や他のヨーロッパの国と比べて1~2時間遅い時間に食べることが多いです。私が働いている日本語学校で、多くの生徒さんに食事時間を聞いてみたのですが、確かに日本と食事時間が違いました。
朝は大体9時か10時に食べる人が多く、昼は14時か15時に、夜ご飯は20時過ぎに食べる人が多かったです。スペインに来る前、スペイン人は夜ご飯を沢山食べる人が多いと聞いていましたが、意外とヨーグルトやパンとチーズだけ等の軽食しか食べない人がほとんどでした。私は個人的に夜ご飯を沢山食べるのですが、家族の他の人はパン一切れとハムしか食べません。
また、平日はスペイン人の多くの人は自宅で3食食べます。スペインのレストランはとても高く、休日や特別な日の贅沢としてレストランに行くことがあるようです。日本のように、ファミレスやすき家など1000円以下で手軽に食べれるレストランがスペインにはほとんどないです。朝食はカフェなどに行けば、比較的安く食べれるので、朝ご飯はカフェで食べるスペイン人も多いです。
スペインの気候は温かい時期が多く、夏もカラっと乾燥しているので、テラス席が付いているレストランが多いです。開放感のあるテラス席での食事はとても快適なので、多くの人がそこで何時間もおしゃべりしたりしています。スペインのレストランが日本のレストランと比べて高いのは、もしかしたら長時間居座るための場所代として割高なのかもしれません。
スペイン文化|住んでいて気付いたカルチャーショック
日本でずっと生活していると当たり前のように享受していたことや、当たり前のようにしていたことは、海外で生活してみると当たり前ではなかったと気づくことがあります。
スペイン文化:買い物
日本では必要なものがあれば、24時間365日いつでもコンビニで買うことができます。また、便利な商品の品数が圧倒的に多く、買い物がとても楽しい国です。スペインでは、コンビニ等の24時間365日開いている店はほとんどなく、商品のバリエーションも少ないです。日本では、誰が買うん?といった商品や期間限定の新商品等が沢山あるのに比べ、スペインでは必要最低限の商品が店頭に並んでいます。合理的と言えば合理的なので、スペインに慣れてくると、日本には無駄な商品などが多い気がするという、逆カルチャーショックを受けるようになりました。
スペイン文化:スペイン人はとてもフレンドリー
地域によりますがスペインの大都市以外の町では、人と人との距離が近く、他人でも挨拶をする文化や、長時間立ち話をする文化があります。私が生まれた日本の田舎の町でも人と人との距離が近かったですが、スペイン程フレンドリーな人たちは見たことありませんでした。
スペイン文化:役所や郵便局
スペインの役所や郵便局は控えめに言ってやばいです。スペインで在留許可を申請しに行ったことのある方は既に被害にあわれたことがあるかも知れませんが、対応が遅いうえに職員によって求めてくる書類が違うため、ストレスが半端ではないです。また、役所に知り合いがいないとちゃんと対応してくれる可能性は低く、日本では考えられない対応をされます。私は家族に役所で働いている人がいたので、在留カードを7か月で取ることができたのですが、そうでないともっと時間がかかります。日本での在留カードの取得にかかる日数は遅くても1週間だそうなので、日本人としてはスペインの役所での手続きはストレスの塊です。
スペインの郵便局もとても遅いうえに、配達員の気分次第で配達さえしてくれない時があります。常にインターネットで配達を追跡していないと、勝手に返送されたり破棄されたりするので注意が必要です。たまに不在届さえ入れてくれないことや、家まで配達に来ず勝手に不在扱いをしてくる配達員もいるので、そういった理不尽なことはスペインで生活していると仕方のないことなので受け入れるしかないです。
スペイン文化|良さを見つけて楽しく海外生活を送るためには
私はいろいろな国に旅行に行ったり、複数の国で生活した経験がありますが、どの国もいいところがあれば悪いところもあります。スペインも同じで悪い部分はありますが、スペインで暮らしていて素晴らしいことも数えきれないくらいあります。ここスペインでは便利な生活やスムーズな役所の手続きなどは諦めることにはなりますが、ストレスのない生活や、人のやさしさに囲まれながら暮らすことができます。
海外で生活すると、最初の1~2か月は新しいことに囲まれてポジティブな感情で生活することができますが、3か月目以降はその国の悪い部分などが目立ち始め、日本だったらこうだったのに等、ネガティブな感情が強くなることがあるかもしれません。そんな時こそ、その国のいいところを書き出したり、悪い部分も仕方ないと受け入れるようにすることで気分が落ち着いたり、ポジティブな思考に変わるかもしれません。そうすれば、世界のどこでも幸せに生きることができると思います。
執筆:ライターYさん
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